こっち向いて笑って、先輩!
アプローチその5


翌日のお昼休み。


ただいま、心臓が口から飛び出そうである。


昨日、あの後そのままみっちゃんのうちに泊まったのだけど、突然みっちゃんが『借りたカーディガンと一緒に手作りのお菓子を作って先輩に渡しな』なんて言ってきて。


ちらっと、机の横にかけられた袋の中を覗く。


みっちゃんのアドバイスを全て聞いて作り上げたマフィンと、昨日みっちゃんの家で手洗いして洗った柔軟剤の香りに包まれてふわふわになったカーディガン。


昨日はみっちゃんの応援のおかげで、よっし!っとやる気満々になっていたけれど、いざ学校に来ると一気に緊張が押し寄せる。


みっちゃんがミシンでさっと縫ってくれた、昨日のスカートをギュッと握り締める。


こんなに頼れる親友がいて、私は幸せ者だ。
できれば、今もそばにいてほしい。

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