私と結婚してください。



「じゃあ始めるぞー」


先生はそういって、ボールをあげる。
なんかもうそんな姿までさまになってるよ…

……なんて、のんきに見てたら凰成のジャンプを見逃し、気づいたらスタートしていて
でもとりあえずボールは頼くんが触ったらしくて伊織くんに渡るところ。


心から、

『神様ありがとう』

神に感謝を捧げた。


だってもし凰成が私の方にボールをやってたら、私はきっと落としちゃってた。
そしてきっとまた理不尽な罰ゲーム。

……今回は理不尽でもなんでもないかもだけど。


「…っしゃー!先制点!!」


最初の一点はもちろん伊織くん。
目にも止まらぬ超ハイスピードだった。


「……レベル高。」


「ボケッとしてねぇで戻れ」


凰成が私の頭をコツンとチョップした。
言われなくてもやってやる。

温室育ち、世間知らずのお坊っちゃまだと思ってたけど…結構、楽しめそう。


「……よし、次は絶対に私が決める!」


「威勢がいいだけなら誰でもできるからな」


そんなことを凰成に言われるけど
私の得意科目は音楽と体育だけなんだからな!!

このくらいで負けてたら他になにで胸張ればいいっていうんだ!!



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