私と結婚してください。



「や、ったー!!初得点だよ!」


「その調子であとも頼むわ」


両手を挙げて喜ぶ私。
そんな私の頭にポンっと手をのせる凰成。

こんな和やかな時間は初めてだね。


「…くっそー、背が低いことをいいことに…」


「言っとくけど、伊織くんだって大差ないんだからね」


ふんっだ。


「む、かつく~!!
頼!!俺希依ちゃんにつくから!!」


「どうぞどうぞ。
私は絶対負けないもん。」


「チビのくせに~!!」


「だから伊織くんもだからね」


「……お前ら、試合中だぞ」










そんな試合は、18ー21でとりあえず勝利。
でもギリギリで危なかったー。


「ほら、おチビさん?」


「っ、!!
凰成!!姫の躾がなってないぞ!!」


「最初にチビって言ったのは伊織くんでしょー。
頼くん、主人の教育がなってないよ?」


「…二人とも、その辺にしておきましょう」


キーキー言い合いをする私と伊織くんに、いい加減呆れ果てた頼くんがやっと止めに来る。

もうこれ、いつまで続くのかと思ったよ。


「希依」


「ん?」


凰成がこれまた優しく私を呼ぶから、もう伊織くんなんてほっといて凰成のところへと戻った。


「ん、飲むか?」


「え…、いいの?」


「今さら間接キスを気にすることもねぇだろ」


凰成は、姫の私なんかに飲み物を差し出した。
いつもならありえない、凰成の私物を。


「……ありがとう」


優しい凰成に浮かれているにも束の間


「本来、飲み物は姫が用意するんだけどな」


……一気にまた地へ叩き落とされる。


「…以後、気を付けます」



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