私と結婚してください。
「……神楽って、そんな偉いわけ?」
「えっ…?」
さっきまで大きな声で圧倒してきたのに、今度はすごく真面目な……
「私たちバレー部は毎年春高を目指して頑張ってるの。
出場したことだってある。
他の部活だってそうよ。
なのに、たかが球技大会ごときで、どうして私たちが身を引かなければならないの?
あなたたち神楽にとって、球技大会はそんなに重要なことなの?
たとえ重要なことだったとして
その練習を、わざわざ放課後私たちをどかしてまでやる理由は?
どうして休み時間ではダメなの?」
……それは…、確かにそうだよね…
今日体育館にいたのだって私たちだけで、他の神楽の子達は違うところで練習してるんだろうし
……私が、忘れてたから…なのかな……
「金で雇われてんならさ
ちゃんと教育しろよ。非常識な行動を慎めって、それを教えるためにあんたらがいるんじゃねーの?」
ほんと、その通りだよ……
私…、なにやってんだろ…
「……黙ってねぇで、なんとか言えよ!!」
「う、わっ…!!」
……あぁ、スローモーションってこういうことをいうんだ…
「━━っつ…、」
女の子の一人が怒りの頂点を迎えたのか
なにもしゃべらない私がよっぽど気にくわなかったのか
私に近づいて、私の脚を思いっきり蹴ってきて、バランスを崩した私は階段を転げ落ちた。