私と結婚してください。
差し出された凰成の手に、素直に私の手も重ねた、けど……
「……っ、」
耐えろ、希依。
耐えるんだ、希依。
…なんて、自分に言い聞かせないと
立ち上がれない足になってしまっていた。
他はあんまり痛くないのに……
「…あれ?希依ちゃん足どっかぶつけたの?
アザできてるよ」
「え?」
竜司くんに言われて、竜司くんの指の先を追うと、確かに私のふくらはぎには大きめのアザ。
うん、まぁさっき思いっきり蹴られたもんな
結構痛かったもんな。
「……どっかぶつけたかなぁ」
ま、そんなこと言えるわけもないんだけどさ。
「ぶつけてねぇのにアザができるかよ。
ったく…
さっさと寮戻るぞ」
「え、練習は?」
「その指じゃできねぇだろ。
今日は無理すんなって言われてんだろ?」
「なんだぁ、筒抜けか。」
ま、さっきの先生が担任に連絡したってところかな…
「……あ、じゃあ先生
さっき部活やってた人たちに連絡してよ。
体育館、使ってくださいって」
「あぁ、そうだな
言ってくるわ」
ふぅ…。ま、こんなことで許されたものではないだろうけど
……少しずつ、変えていかなきゃだよね。
そのために私がいるんだもん。
『神楽』とか『吉良凰成』の名を、こんなことで落としたくないから