私と結婚してください。
「……意味わかんねぇんだけど」
『はぁ?わかんだろ、普通。
つーか、お前だって俺のことライバルだと思ってるから敵意むき出しにしてんじゃねぇの?』
「・・・はぁ?」
『だから、お前も高梨のこと好きなんだろ?ってこと』
・・・好き?え、は?好き?
「……別に好きじゃねぇよ」
『え、そうなの?
じゃあなんで最初っから俺に敵意丸出しなわけ?俺なんかした?してなくね?
ってか俺のどこが嫌いなわけ?』
どこって…、最初はやっぱ…寿司屋で希依が俺とじゃなくてこいつとばっか話してたから、こいつ邪魔だわみたいになって…
希依のスマホにロックかけた理由も、こいつと連絡とらせんのがなんか嫌で…
今日も俺が押すはずだった車イスをこいつが押してきて
俺と希依のテリトリーにこいつが入るのだけは絶対に無理で……
…あれ?もしかして俺
━━━━━━嫉妬してる?
『おーーい』
「なんだよ」
『だからお前も高梨のことが好きなんだろ?って話』
「つーかお前は希依の妹が好きなんじゃねぇのかよ」
『あぁ、椎依ちゃん?
椎依ちゃんは恋っていうよりも憧れっていうか、みんなのアイドルだから。
別に本気で好きな訳じゃねぇよ。
そもそも高梨がいたから椎依ちゃんのこと知ったわけだし。普通科には俺みたいなやつ、結構いると思うけど。』
「ふーん」
『つーことで、俺はお前にはぜってぇ負けねぇから』
「勝手にしろよ」
『あ、そ。
じゃあ俺寝るから』
そういうと、勝手に電話は切れた。
…ってか俺、希依のことが好きなのか?
恋愛ってこんなんだっけ?
……でも、俺も速水ってやつにはぜってぇ負けねぇ。
希依はもう俺のなんだよ。
譲る気なんか、さらさらねぇよ。