私と結婚してください。
━━━ガチャっ、
「おい」
「うわっ!な、なに?びっくりしたなー…」
「電話終わったから」
「あぁ、うん。ちゃんと謝れた~?」
「別に謝んなくていいんだと。別に仲良くする気もねぇからって」
「……速水が言ったの?それ」
「あぁ、そう。言っとくけど、俺がなんか言ったわけじゃねぇからな」
「ふーん…、めずらし。
速水って誰とでも仲良くする方なのに」
・・・まぁ、なんか俺にライバル心燃やしてるみたいだし。よくわかんねぇけど。
「あ、そうだ。
スマホ、ロックしてないけど…いいの?」
「あー…、」
スマホ、な。
……希依に対して恋愛感情があるのか?さっぱり俺にはわかんねぇけど、これじゃなんか気持ち的にあいつに負けてる気がするしな…
正々堂々としてねぇ気もするし
「……いいわ、使えよ。」
こいつがあいつと連絡を取ろうが、なんとなくこいつはあいつには惚れない気がする。
そんな意味不明な自信が、俺にはある。
「…いいんだ?」
「は?嫌なわけ?」
「そうじゃないけど
なんでダメだったのかなぁと思って」
「とくに理由はねぇよ。
さっさと風呂入って寝ろ」
「でもまだ凰成の服出してないし」
「そんな足してるやつにやらせるほど腐ってねぇわ。
今は足治すことだけ考えとけ。自分のことは自分でやるっつーの。
じゃあな」