私と結婚してください。
「……で、でもさっき
ひとりで食べるごはんは美味しくないって言ったら、何で決めつけるんだって言ったじゃん」
「それはうまくないってことじゃねぇよ。
どうしてお前はひとりで飯を食うって勝手に決めつけてんだよって話。
誰も飯食ってから帰るなんて言ってねぇだろ」
・・・確かに。
そんな遅くならないっていってたような……
「……希依さ、今でも普通科戻りたい?」
「え……な、なんで…?」
「あいつといる方が楽しそうじゃん。
病院から帰ってきたときも、今日も。
寿司行ったときもそうだったな。
今日みたいに、誘えば来てくれるやつの方がいいだろ?希依も。
あいつが言ってたように、俺が無理矢理つれてきただけだし、
いいよ。契約解除、してやるよ。」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
なんで……やっと楽しくなってきたのに…
凰成のこと、だんだんわかってきたところなのに……
「そりゃ…、最初は嫌だったよ。友達と離れ離れになって、慣れない生活になって、戻りたくて仕方なかったよ。
……でも、今は…」
……こんなとこで、諦めたくないよ…
私が、私が……
「なんだよ。さっさと言えよ」
「……凰成が私を選んでくれたから
私も、今は凰成の姫を選びたい。
凰成に一般常識を教えるのは私でありたいし、凰成の世話係も私でありたい。
……今は、私が凰成のそばにいたいよ」
こんなにどうしようもなくて
こんなになんでもできて
こんなに素直なやつじゃないけど
……本当はずっとずっと優しくて
本当はいつもいつも、私を想ってる。
そのことを、ちゃんと受け入れるから。
「……だから、まだそばにいさせて」
もう、その裏返しの感情表現に背を向けたりしない。
裏返った感情は、私が表に直してあげたいから。