私と結婚してください。
と、いうわけで放課後
「早く戻って来いよなー」
「飯はここで食う予定だわ」
「っていうか伊織くんたちもいるんだし、寂しくないじゃん」
「せっかく希依ちゃんと映画行く予定だったのに!!」
「……聞いてないし」
出会って3ヶ月が過ぎたのに、竜司くんとは予定が合わずに全く出掛けることができなかった。
なんせ私の宿題が終わらなかったり、私が補習だったり、私が怪我したりと、私のせいで毎日が散々だったこともあってね……
「じゃあ時間だしまた夜にね。
凰成、行こ。」
「おう、じゃあな」
凰成とはあの怪我事件から言い合いはあるものの、前よりは断然仲が良くなった。
お互いに素直じゃないときもあるんだけど、それをちゃんとわかってるから、絶対にどちらかが歩み寄って謝るようになった。
あの凰成も、今ではちゃんと謝るし、お礼も言う。
本当、ここまでしたんだから特別ボーナスとか欲しくなるよ。
……補習に付き合わせちゃうけどさ。
「あ、椎依とは普通科の校門で待ち合わせなんだけど…いい?」
「あぁ。どうせ車だしな」
そんな会話をして校門へと向かえば、真っ白な高級車が一台と運転手が外へ立って待っていた。
「おかえりなさいませ」
「あぁ」
開けられたドアに最初に乗り込むのは今では当たり前かのように私。
すっかり私もレディファーストというものに慣れた。
最初の頃は私、助手席だったのにね。
「……そういえば椎依はどこに乗るの?」
「助手席。」
・・・そ、そっか。
まぁ今日はセダン車だもんな…