私と結婚してください。
「それに、めぐのことも大事だけど、でも私は竜司くんだって、伊織くんだって頼くんだって大事だよ。
だから私は、みんなと会えなくなるなんてやだよ」
きっと、高校卒業したらこの人たちとは会えなくなる。この人たちとは住む世界が違う。
だから…せめてこの一年だけ、一緒にいたい。
みんなのこと大好きだから、一日でも長く一緒にいたいよ。
「そんなの、凰成の姫やめたら俺の姫になればいいよ。そしたら全部丸く収まると思わない?」
「……でも、凰成がなんていうか…」
「簡単だよ、凰成を説得するなんて」
「え?」
「凰成に、俺のことを好きになったって言えばいい」
「え!?」
「そしたら凰成はきっと、希依ちゃんを解雇して俺のところにいけっていうよ」
「そ、そんなことで…」
「うん。だって凰成は
俺が希依ちゃんのこと好きだって、気づいてるから」
「・・・え?」
す、すき?好き、って…え?
なに…どういう……
「だって俺、女の子にこんなに真正面から仲良くなることないもん。
玲子相手でもこんなに仲良くならなかったよ。
いつも適当にあしらったり、適当に嘘ついて抱いて捨てるだけ。
だから凰成はきっと俺の気持ちに気づいてる。だからさ」
「ちょ、ちょっと待って!
す、好きって……」
「えー?本当鈍いなぁ。
だから俺は希依ちゃんに恋してるってこと。
今俺は希依ちゃんに告白してるってこと。
で、好きだから凰成やめて俺にしない?って誘ってるってこと。」
……はい?え、めぐの恋はどうなった?
ってか竜司くんが私のことをすき?え、本当?
それが今までで一番嘘っぽいんだけど。