私と結婚してください。



「まず、この神楽のパートナーシステム
パートナー以外で恋人を作るのは禁止されてる。

恋人ができるといろいろ支障をきたすためだ。


だからお前は俺の姫やるくらいなら退学するとか言ってたんだろ。忘れたのか?」


「あー……」


そういえば…あれは姫だけじゃなくて、主人側もだったな…


「その次に、竜司の言うことは全て嘘だと思えと言ったよな。
それは覚えてるよな?」


「……はい」


「で、最後に
姫を決めるときに学校に申請を出す。
まずは学校側が許可をだし、次にいくのは主人、つまり俺の親が許可を出す。

婚約者なんていたら、俺の親が許可なんか出すと思うか?」


「・・・普通は出しませんね」


「だろ。
で、結論はそんなもんはいねぇ。」


「そ、そっか……」


なんか…ちょっとすっきり……
そうだよなぁ…凰成の親の許可もいるんだもんなぁ…


「ただ」


えっ、まだ続くのか!?
ただってなんだ…!?


「婚約者っつーもんが全くいなかったわけじゃねぇ。
過去にいたことはある」


「え!?え、じゃあ婚約破棄したってこと…?」


「つーか、俺に前彼女がいたことは知ってんだろ?
それが俺の婚約者ってことだよ。

あいつとはガキの頃から一緒で、婚約者となってから付き合ったっつー感じで、順番おかしいんだけどな。

で、別れたから婚約も破棄。
別れた理由も金絡みだったから俺の親もなんも言わなかったって感じだしな。」


「彼女ってもしかしてお金持ちじゃないの?」


「あぁ、まぁな。
比べるなら希依んちのが金持ち」


「えっ!?ま、まじか…そんな一般階級でもいいのか…」


い、意外だ……
凰成んちってすごいお金持ちだし、そういうの厳しいのかと思ってた…


「俺の母親も庶民だったから。
両親はそういうのは気にしねぇのかもな。

借金が多額にあるとか、いろいろだらしなくないか、とか
総合評価みたいなのは厳しめ。
だから親の知らないところでの交遊関係にはかなり厳しい。」


総合評価、か……
最初の頃、凰成があまりにも金で価値を決めるから、そういう親なのかと思ってたけど…

こんな自己中な世間知らずで超俺様な凰成を育てた親はとんでもないやつだろうと思ってたけど


すみません、お父様お母様
凰成よりよっぽどまともな性格なようですね。
勝手に勘違いしてごめんなさい。



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