私と結婚してください。
素直になりたいのに
━━━翌日
朝から凰成と補習を受け、お昼をいつものところでテイクアウトしたご飯を食べて、
午後は珍しく竜司くんが部屋集合と連絡してきたから、戻った私たちは竜司くんの部屋へと向かった。
「私、凰成以外の人の部屋入るの初めてだよ」
「いや、俺もだけど。
基本俺の部屋だから竜司の部屋も伊織の部屋も入ったことねぇ」
「へー、そうなんだ。
なんかちょっと楽しみ~」
「・・・なにがだよ」
で、ついた竜司くんの部屋。
ノックすることもなく、普通に凰成のIDで竜司くんの部屋の鍵が開く。
・・・なぜ?え、そういう感じ?
だから竜司くんとか伊織くんも勝手に凰成の部屋入れるの?
……それでいいの?
この3人だけ?もしかして私のIDでもあく?
あとで頼くんに聞いてみよっと。
「あ、きたきた」
勝手に入り、中を見ると
「え、めぐ!?」
二人掛けソファに座る竜司くんの横に、めぐがいた。
「な、なんで!?」
「んー、だって二人仲良しじゃん?
やっぱり希依ちゃんだけこっちなんて可哀想だし、めぐちゃんを俺の姫にした方が希依ちゃんも楽しいんじゃないかなって」
そういう竜司くんだけど、なんか…
めぐが凰成のこと好きなのを竜司くんが知ってるから、この前の話が思い返されて……素直に、喜べないよ…
「へぇ、まぁいいんじゃね」
「いいんじゃね、って!
そう言いながらあんたも嬉しいくせに!」
「うわ、うぜぇ」
そうやってめぐと凰成が楽しそうにじゃれあってて、初めて見る凰成の対応に
すごく、モヤモヤする。
「ほら、この二人本当に仲良いから
希依ちゃんが俺の姫になればさらに丸く収まるのに」
いつの間にか隣にいる竜司くんがそんなことを私に言う。
「……惑わされない。
凰成は私がいいっていったもん」
姫は私じゃなきゃだめだって、ちゃんと凰成の口から聞いてる。だから…大丈夫、だよね
「今の段階では、かもだけどね?」
そうやって優しい笑顔でいう竜司くんが腹立たしくて仕方ない。
この人、知り合った頃もよくわからなかったけど、やっぱりよくわかんない人だ。