私と結婚してください。

「それで、希依ちゃんは？
どうして姫やらないの？学校やめてまでやりたくない？」


「私は18歳、高校卒業するまでに婚約者を見つけなければならないから。」


「……は？」


「私のお母さんの家系は長女が代々18歳で結婚してきた。
私の両親はそれを私に継がせようとしてる。
……あ、私が長女なのね。椎依じゃなくて。

で…今年中に結婚する相手を見つけないと、私が大っ嫌いなやつと結婚しなきゃいけない状況で…
だから……あなたたちに付き合ってる場合じゃないの。

たとえこの学校をやめたとしても高卒資格はあとで取れる。
でもあいつと結婚したら途中でやめることはできない。
それこそ、よっぽどの理由がないとね。

それなら私は学校をやめてでも彼氏を作りたい。
今年は私にとって今後の人生を決める大事な一年なの。」


「あー、だから昨日あんな発言してたわけね。」


……私は別に言うつもりなんてなかったよ。
結婚してください、なんてさ…

どうしてあんなことを言ってしまったのか私もわからないよ…


「でもさ、凰成がその彼氏になる可能性はないの？」


「……はい？」


「婚約予定のその嫌いな男と凰成ならどっちの方が嫌い？」


「それは…」


……どっちもむかつくし、どっちも上から目線で女を少し小バカにしてるし…
……だったら、まだ顔がいいだけ…


「……あの人の方がまし、かも…」


「俺も絶対そう思うよ。
だって凰成って性格は絶対まともだよ。ちょっと臆病だけどさ
ちゃんと教養もあって、礼儀正しいし。」


「……あれで？」


「レストランとか行くとめちゃくちゃスマートだしね」


……そんないいレストラン、行かないからわかりませんけど。