私と結婚してください。



「ちなみに、吉良さんのご両親が第一号ですよ」

「え?なにが?」

「神楽一期生で、そして神楽のパートナーと結婚された方が、です。」

「へ!?え、そうなの?」

「はい。」


そういえば、凰成もお母さんは庶民だって言ってたな…
うわー…、まじか……


「ですから、吉良さんのご両親はパートナー制度のよき理解者であり、また吉良さんにも、ご両親と同じように姫は生涯主人を支える関係であってほしいと望む方々です。

吉良さん自身はご両親は自分に興味がないと思われているようですが、本当はそうではなく
吉良さんの生涯のパートナーを早く見つけられるよう、あえて突き放しているのです。そのパートナーになるひとを1番に考えられるように、と。

吉良さんは最初、そんなご両親の想いを理解されていなかったようですが、今ではそんなこともないようですね。」


「……ってことは…?」


私が首を傾げて聞くと頼くんは優しく優しく私に微笑んで立ち上がった。


「伊織様、そろそろお部屋に戻りましょう。
課題をやる時間ですよ。」


えぇ!?お、終わり!?
私への返答は!?


「えー、まだいいじゃーん」

「それでは玲子さんと会う時間も減りますね」

「……やる。」


お、おう……さすが頼くんだ。
伊織くんと頼くんって一見頼くんが下にみけるけど、尻に敷かれてるのは絶対伊織くんの方だ。


「希依さんも、わからないことがありましたらいつでも伊織様の部屋にいらっしゃってくださいね」


頼くんはまたそんな優しい優しい言葉と笑顔を私に提供して、伊織くんと竜司くんの部屋を出ていった。



……私は自分のと二人のカップでも洗うか…



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