私と結婚してください。
『プルルルル……
もしもーし』
「あ、めぐ?
私今夕食オーダーしにきてるんだけど、よかったらめぐも来ないかなーと思って電話したんだけど…」
『あー、希依やっといてよ』
「えっ!?」
『わざわざ行くのめんどいしさ~
お願い!!』
めぐはそういって、私になにも言わせず電話を切った。
私がやるのは別にいいんだけどさぁ…
「西島さん、どうでしたか?」
「あ、うん
面倒だからやっといて、と…」
めぐからの伝言を伝えると、あんなに優しい頼くんが凍りついた気がした。
「……そうですか。
ですが希依さんは西島さんの友人であり、姫ではない。
なので、やらなくていいと思いますよ。」
「えっ、でもそしたら竜司くんのご飯が…」
「パートナーのミスは連帯責任です。」
「でも…いいのかな…」
「希依さん、友達ならば甘やかしてはいけません。
それではあなたは友達ではなく、ただのパシりになってしまいます。
大丈夫です、私がついていますので。
神崎さんになにか言われても、私がフォローしますので。」
と、最後の頼くんの優しい笑顔に
私は従うことにした。
「うちも今日は伊織くんのをパクろーっと。」
「……それでよろしいのですか?」
「凰成、いっつもなんでもいいっていうから困ってたの。
明日の朝も和食になっちゃうけど、お昼はどうせテイクアウトだから洋食だし、いっかなって」
毎日毎日考えるのが大変。
本当お母さんの気持ちがわかるよ…
作らないだけ楽なんだけどさ。
「そういえば毎日お昼はテイクアウトですよね。
どちらで食べてらっしゃるんですか?」
「んー…、内緒。
別に特別な場所ってわけではないんだけど、凰成が頼くんにも言うなっていうからさ」
私がそういうと
「…そうですか」
頼くんはとびきり優しく微笑んでそういった。
この人のこの笑顔、大好きだなぁ…