私と結婚してください。
すぐに着替えを済ませて私たちは今日も体育館へ向かう。
体育館だけはみんな共通だから、めぐが唯一外へでられる瞬間だ。
「ん~~、秋のにおい」
「……なにそれ、どんなん?」
「いやなんか雰囲気だよ」
雰囲気、ねぇ……
私にはよくわかんないけど…まぁ確かに、あそこの銀杏もすっかり色づいてるしな…
「希依ちゃん!!」
体育館へ移動中、そんな声が聞こえてうしろを振り替えれば、またこれがガキで元気な伊織くんがこちらへと走ってきてる。
もちろん、それについて頼くんもいるし、その後ろには凰成と竜司くんもいる。
「あれ、早いね?
いつもはもう少しゆっくりなのに」
「今日バスケだって!!また勝負しような!!」
「・・・はいはい」
前回私たちペアに負けた伊織くんは、またそんなことに意欲を燃やしている。
まぁいいことなんだけどね。私もバスケ好きだし。
「バスケかぁ。やったね」
・・・でも、今回はそんなうまくいかなそう。
なんせ、前回あんなに上手なプレイをした竜司くんのペアが、今回はめぐ。
前回の先生もすごく上手だったけど、めぐの腕もかなり…だし……
「足、引っ張んなよ?」
なんてきっと冗談なんだろうけど
そんな凰成の言葉に、私はなにも返す言葉がなかった。