私と結婚してください。
私はそのまま、外にあるバスケットゴールの前まで連れてこられた。
「凰成に怒られたでしょ」
「え。……うん、まぁ…
でも私が悪いし仕方ないよ」
全部、私が悪いんだ。
だって凰成が1人でゴールまで運んだボールは、ちゃんと点数になってるんだから。
「そうかな。
俺は凰成も悪いと思うけど?」
「え?……なんで?」
「だってめぐちゃんがバスケ特別うまいことを凰成は知ってんだもん。
ずっとやってきためぐちゃんに希依ちゃんが敵わなくて当然だと俺は思うけどね。
手加減なんてされても嬉しくないだろうし」
・・・敵うわけないじゃんって…
まぁその通りなんだけどさ…他人から言われるとちょっと…
「それに、それだったら希依ちゃんの得意なところで活躍させてあげればよかったんだし」
「いやでも…私特にバスケが得意なわけでもないんだよね…」
運動神経が普通よりもちょっといいだけで……
「でもさ、ゴール決めるのはうまいじゃん」
「え、うーん…
でもそれも2本に1本くらいだし…それに姫の私がシュートってのもな…
凰成がピンチで、その代わりにならまだしも…」
「ほら、それが敗因なんじゃない?
姫は主人の召しつかいじゃないんだから。
お互い、支えあっていくもんなんだからさ」
「……それはまぁ…そうかもしれないけど
でもやっぱり凰成の方が確実に入るしさ」
仮に私がシューターだったとしても、確実に入る保証なんてない。外す時が多い日だってある。
「だから、それは練習次第でしょ?」
「そりゃそうだけどさ」
「試しに」
そういって竜司くんはそこにあるバスケットボールを手にとって、私に投げた。
「それ、ゴール入れてみてよ」
言われるがまま、私はボールをゴールへと投げる。
このくらいなら、私にも……なんて投げたボールは
”ガンッ”
見事に、後ろのボードに当たって、そこらへんに落ちた。
「……ほ、ほらねっ!やっぱ下手だから仕方ないよ」
こんなんも入らないとか情けなさすぎ……
本当へたくそすぎて嫌になる…なにが得意科目は体育だよ…
「…体幹はあるんだけどなぁ」
そういって、竜司くんはボールを拾って私のとこまで来た。