私と結婚してください。
「……希依」
私が絶望感満載の空気を放っていると、凰成が私を呼んだ。
「え…?」
「ちょっと」
そういって私を手招きするから、私の足も動くけど
「凰成」
私の体に、別の腕が巻き付いた。
「今は仮でも俺の姫なんだから、俺の許可なく希依ちゃんを呼び出さないでよね」
「ちょ、ちょっと!」
凰成目の前に、後ろから竜司くんに抱き締められる。
こんなところを凰成に見られるなんて、すっごく嫌で私の手足はバタバタと暴れだす。
「離してよっ…!」
「そんな照れなくても~
これからは俺と過ごすのに」
そんなことをしているとチャイムがなって、凰成はさっさと私に背中を向けて歩き出した。
いつもなら必ず私を横に置いて、私のペースで一緒に歩いてくれていた凰成が
私を置いて、さっさと体育館から出ていった。
「ほら、希依ちゃん
着替えにいこ」
……お試しでも、凰成の姫がめぐになる
お試しでも、凰成から離れるなんて
そんなの、私は嫌だよ……