私と結婚してください。
第2章
姫の役割。
この世間知らずの金持ちたちを牛丼屋まで案内して、ご丁寧に注文までしてあげる始末。
……もしかして、これも姫の仕事なのか?
「つーか指輪しねぇのかよ」
「あぁ、これ?
だって絶対サイズ大きいよ。親指でもすかすかなんだけど。」
「とりあえず薬指はめろよ。」
「えー、薬指~?」
「姫の指輪はそこだって決まってんだよ。
さっさとはめて手出せよ。」
……いちいち言い方が腹立つやつだな。
なんなんだよ。
「…はい、これでいい?」
「動くなよ」
吉良凰成はそういうと変な機械を私の薬指を挟んだ。
「……え?」
そうすると、あら不思議。
ぶかぶかだった指輪がぴったりになりました。
って、
「なに…は?気持ち悪…
手品かなにか?」
「今の日本の技術を舐めてんじゃねぇ。
その指輪はこの機械がないと外せなくなった。」
「え!?」
そんな指輪、あるわけないと思ったけど…本当に指からは外れてくれなくて
まったく動かない。回りもしない。
まるで、指にくっついたみたいな……
「それとこれ、IDカードな。
これから寮の鍵になる。」
「……はぁ…」
「その指輪がついてる間は俺に服従してろよ。」
……つまりこれは首輪ってことね。
見えない鎖がここについてて、吉良凰成に繋がっている、と。