私と結婚してください。



それからまた歩いて駅へと戻ると、そこにはまた頼くんちのリムジンが停まっていた。


「……もっと普通の車はないんですかね…」

「と言いますと?」

「凰成んちはリムジンじゃないじゃん?ミニバンとか」

「あぁ…申し訳ありません
私の家にはミニバンはなくて…」


・・・ってことは、全部リムジンなのかよ、おい。
もっと小さい車はないんですかね…


「……まぁ、私が慣れればいい話なんだけどさ…」


と、伊織くんと竜司くんが乗り込み、私がのって、最後が頼くんだ。
本当、どこまでも紳士。
頼くんちの車なのに、私より後に乗ったよ、この人…


「はい、まず希依ちゃんこれね」

「え、アイマスク?」


車のドアが閉められて早々、竜司くんにアイマスクを渡された。


「別に眠くもないんだけど」

「いやいや、目隠しだから!」

「・・・はぁ?」


意味不明…目隠しする必要あるのか?
だって凰成の部屋でやるんでしょ?ぶっちゃけ、部屋入る瞬間まで部屋の中の様子は見えないんだからいいんじゃないかなぁ…


「なんでもいいからさっさと付ける!」

「うわっ」


アイマスクを持ったまま固まっていたら、少し離れたところにいる伊織くんがわざわざ身を乗り出して、私にアイマスクをつけさせた。


「よーし、しゅっぱーつ!!」


・・・なんだかなぁ…



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