私と結婚してください。
「あ、希依ちゃん椎依ちゃん!
早く火消して!ろうそくが!!」
竜司くんに言われ、運ばれた大きなケーキを見てみると確かにケーキにささっているろうそくのろうが、ケーキにたどり着きそうだった。
「ほら。希依、椎依」
めぐに促され、私は椎依と目を合わせ、腕を組んで、
「っていうか、こういうときは電気消したままでしょ」
「本当だよね」
そんな他愛もない話をしてから、掛け声もないのに、一緒に火を消した。
「おめでとー!!」
「ありがとう!」
そしたら凰成が、私に渡したのと同じPHSを使って「頼む」たったそれだけいうと、部屋のドアが開いて
また、シェフらしき人たちが何人かなにかを押してやってきた。
「希依ちゃんおめでとう!!」
「えっ、あ、ありがと」
そんなことに気を取られていると、私の目の前に大きめの袋がボンっと現れた。
「開けていい?」
「もちろん!!」
「なにかな~
伊織くんのセンスが問われるね」
「めっちゃ希依ちゃんに似合うやつだから」
似合うやつ?ってことは服?
……にしては包みがでかい。
なにかなぁ?と開けてみると
「うわぁ…すご」
大きな大きな、くまのぬいぐるみだった。
「……ガキくさ」
「え!だめ!?」
竜司くんのボソッと言った一言に伊織くんの表情は完全に曇ったけど
「…ううん、そんなことないよ
ありがと。毎日一緒に寝る!」
「うん!ぜひそうして!」
「こんな大きなぬいぐるみ、もらったことないからすっごい嬉しい!」
「へへ、だろー?」
「これは俺から!」
そして次に出てきたのは、竜司くんの手から超高級ブランドの紙袋。
これは…やはり、竜司くんらしいというか、なんというか…
「ありがとう!…開けていい?」
「もちろーん」
伊織くんのものと比べると、高級感がすごいから、慎重に慎重に包みと箱も開けていく。
「あ、ハンカチ…」
中には、ハンカチーフやタオルハンカチなど、何枚か入っていた。
「そ。
希依ちゃん、いっつも可愛いタオル持ってるじゃん?
しかもけっこう枚数持ってるし、好きなのかと思って」
「…よく見てるね。
タオルって消耗品なとこあるから…枚数増やして、いつもきれいなの持っていたいなって考えだから…
だからすごい嬉しい。大切にするね!」
「はは、大切になんかしなくていいよ。
ガンガン使ってよ」
「……ありがと」