私と結婚してください。
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それからはこのご馳走たちをいただいた。
本当に普段では絶対味わえない高級食品に、なかなか手が出なかったけど…
「希依ちゃんもっと食え!!」
伊織くんが、わざわざ私に取り分けてくれるもんだから、私もいっぱい食べられた。
その場で切ってくれるローストビーフに、その場で焼いてくれるオムレツがもう美味しすぎた。
……全部、信じられないくらいおいしかったんだけどさ…
そしてケーキも食べ、だいぶお腹いっぱいになった頃
「希依さん、ちょっとよろしいですか?」
頼くんが、私を呼んだ。
「なに?」
手招きされ、私は頼くんと一旦部屋を出た。
「伊織様、希依さんをお手洗いまでご案内してきます」
ちゃーんとそんなことまで告げて。
「実はもう1つ、プレゼントがありまして」
「え?」
そういって頼くんのポケットから出てきたのは1つのお守り。
「お守り?……恋愛成就って…」
「ここのお守りは効くと有名ですよ。
ぜひ、肌身離さず持っていてください」
「……ありがと。
じゃあ凰成から渡されたPHSにでも付けとこうかな」
「はい。それと」
「え、まだあるの?」
「…こちらへ」
「ん?」
歩き出す頼くんにおとなしくついて行く。
ここは本当に地下?ってくらい明るくて、広くて長い廊下。
そしてさっきの部屋から3つ目のドアのところで止まった。
「吉良さんが、ここでお待ちです」
「……え?」
「吉良さんから、希依さんを連れてくるようにと頼まれました。
神崎さんが勘づく前に、早く」
「えっ、うん」
なんだかよくわからないけど、急かされてとりあえずドアを開けて1人で中へ入った。
そこは、凰成のプライベートルームなのか…
大きなベッドやステレオ、テレビなどが置かれていた。
そして広々のソファに、凰成が座っていた。
「おう、せい…
な、なに?」
「……ちょっと来い」
・・・怒ってる。
え、待って。なんかした…?
「希依、あれどうした」
「……あれ?」
あれって、どれ…?
とわからず考えていると、凰成が小さくため息をついた。
「…今日、希依に渡したやつ」
「あ……」
あの、プレゼント…
やばい…竜司くんに取られたままのやつ…
「…返品、だってな」
そういって出てきたのは、竜司くんに没収されたはずの凰成からのプレゼントだった。
「えっ、どうしてそれ!」
「竜司から渡された。
今は竜司の姫をやってんだから、希依には不要だって」
「え、えぇ!?」
「お前…竜司には見せるなって言っただろ」
「だって…見られちゃって…」
それに、キスするまで言われたら、凰成の感覚忘れたくなくて
守るために仕方なかったんだもん…
「…ったく
ちょっと座れ」
「は、はい」