私と結婚してください。
言われた通りソファに座ると、凰成はソファから降りて私の前に膝をついた。
「えっ…」
「じっとしてろ」
言われた通りじっとしていると、凰成は箱からさっきのブレスレットをとりだして、私の靴を脱がせた。
「ちょ、ちょっと」
私の制止虚しく、靴下も全部まではいかないけど踵まで脱がされて、足首にこのプレートがつけられた。
「え、足につけるの…?」
「そ、アンクレットだからな」
「アンクレット…そう、だったんだ」
「靴下履いとけば竜司にはバレない。
ルームウェアも希依は長ズボンだろ。
…ここなら、竜司にはバレねぇだろ」
「…そっかぁ…」
アンクレットだったんだ…
凰成はしっかり靴下まで戻してくれた。
「…凰成、ありがとね」
「希依、忘れんなよ」
凰成はそういうと、今度は私の右手を取った。
「この指輪は吉良家の印がついてる。
これは俺の指輪だ。
この指輪がついてる限り、お前の主人は俺だからな
忘れんなよ」
そういって、凰成は私に近づいてキスをした。
……私、まだ凰成の姫なんだ…
忘れそうになるよ…
そうだよね…この指輪は、凰成の指輪なんだよね…
「でも、竜司の姫もしっかりやれよ。
学校から解雇されないように、な」
「だ、大丈夫だよ!
竜司くんは勉強も教えてくれるし!!」
「…だったらいいけどな」
凰成からのこの貶されも久しぶりな気がする。
まだそんなに時間がたっていないのに…
でも、やっぱり凰成の隣は楽しくて楽しくて
ずっとここにいたかった。
___コンコン
「失礼します。
希依さん、そろそろ…」
凰成の横にぴったりとくっついた私を見て、頼くんは一瞬固まった。
でも、すぐに優しい笑顔に戻った。
「…すみません、大丈夫ですか?」
「え、あぁ!うん!」
「希依
…もう見られんなよ」
「…うん、大丈夫。
ありがとう」
「さっさと戻れ」
そういわれ、私は頼くんとしっかりさっきの部屋に戻った。
部屋を抜けたのはたったの5分。
竜司くんにはなんにも疑われずに済んだみたい…
その数分後に、凰成も戻ってきた。
目は合わない。凰成の横にはすぐにめぐがつく。
…でも、大丈夫。
私の薬指には凰成の指輪がついてる。
めぐの指輪は竜司くんのものだ。
……もう、大丈夫。