私と結婚してください。



言われた通りソファに座ると、凰成はソファから降りて私の前に膝をついた。


「えっ…」

「じっとしてろ」


言われた通りじっとしていると、凰成は箱からさっきのブレスレットをとりだして、私の靴を脱がせた。


「ちょ、ちょっと」


私の制止虚しく、靴下も全部まではいかないけど踵まで脱がされて、足首にこのプレートがつけられた。


「え、足につけるの…?」

「そ、アンクレットだからな」

「アンクレット…そう、だったんだ」

「靴下履いとけば竜司にはバレない。
ルームウェアも希依は長ズボンだろ。
…ここなら、竜司にはバレねぇだろ」

「…そっかぁ…」


アンクレットだったんだ…

凰成はしっかり靴下まで戻してくれた。


「…凰成、ありがとね」

「希依、忘れんなよ」


凰成はそういうと、今度は私の右手を取った。


「この指輪は吉良家の印がついてる。
これは俺の指輪だ。
この指輪がついてる限り、お前の主人は俺だからな

忘れんなよ」


そういって、凰成は私に近づいてキスをした。

……私、まだ凰成の姫なんだ…
忘れそうになるよ…

そうだよね…この指輪は、凰成の指輪なんだよね…


「でも、竜司の姫もしっかりやれよ。
学校から解雇されないように、な」

「だ、大丈夫だよ!
竜司くんは勉強も教えてくれるし!!」

「…だったらいいけどな」


凰成からのこの貶されも久しぶりな気がする。
まだそんなに時間がたっていないのに…


でも、やっぱり凰成の隣は楽しくて楽しくて
ずっとここにいたかった。


___コンコン


「失礼します。
希依さん、そろそろ…」


凰成の横にぴったりとくっついた私を見て、頼くんは一瞬固まった。
でも、すぐに優しい笑顔に戻った。


「…すみません、大丈夫ですか?」

「え、あぁ!うん!」

「希依
…もう見られんなよ」

「…うん、大丈夫。
ありがとう」

「さっさと戻れ」


そういわれ、私は頼くんとしっかりさっきの部屋に戻った。
部屋を抜けたのはたったの5分。

竜司くんにはなんにも疑われずに済んだみたい…


その数分後に、凰成も戻ってきた。

目は合わない。凰成の横にはすぐにめぐがつく。
…でも、大丈夫。

私の薬指には凰成の指輪がついてる。
めぐの指輪は竜司くんのものだ。


……もう、大丈夫。


< 232 / 419 >

この作品をシェア

pagetop