私と結婚してください。
「ん!そうだ!
あれ行きたい!映画館!」
「……映画館にも行ったことないの?」
「んー、うん。
俺んちはいろいろ厳しくてね~
むやみに外出しちゃいけないんだよね。
外出するときは車必須だし、そういうところは行くなって言われてるし?」
「え、でも今はいいの?」
「うん、だって今は学校で授業受けてると思われてるからね。」
……授業…
「…って!授業行かなきゃじゃん!」
「いや、俺とお前は正式に欠席申請してあるから大丈夫。
お前の寮の引っ越しとか、姫の説明とかもあるしな。
サボってんのは竜司だけ。」
「え!い、いいの?」
「あはは、全然いいよ~
授業なんてつまんないしね?
それに牛丼食べられたし!」
……なにそれ、どんな理由…
だいたい、牛丼なんていつだって食べられるのに…
「さてと、飯食ったし帰るか。」
「え!もう帰んの!?」
「当たり前。明日からサボれねーだろ。
もう引っ越し作業は終えてるはずだし、こいつ理数科のことも神楽のこともなんにもしらねぇんだから教えねーとだろ。」
「うげー、まじかよー」
「映画はまた今度な。
さっさと立てよ。戻るぞ」
……ハイハイ、わかりましたよ。
って!ちょ、ちょいちょい!!
「これ!伝票は持っていくんだよ!」
「はぁ?こっちが持ってくのかよ。めんどくせぇな。
全部向こうで管理しとけよ」
……いったい普段はどんなところで食事してるんですか?
ねぇ。
私も17年と数ヵ月生きてきていいレストランって何回か行ったことあるけど
どこもだいたいこういうシステムでしたよ?ねぇ。