私と結婚してください。



___放課後

結局凰成は昼休みだけでは終わらず、持ち越しとなった。

「俺は部屋でこれやるから、西島は1人で音楽室行けよ」

それだけいって、部屋に籠った。


「希依ちゃん、行こ」

「うん」


というわけで、凰成を覗く私たち5人で音楽室へと向かうことにした。


そして音楽室へと向かう途中、珍しく私のPHSが鳴った。
凰成に渡されたこのPHSに、凰成以外から連絡が入ることは当然ないわけで、見なくても凰成からだとわかる。

……どうしよう、今見てもいいかな…

で、でも…ここで開いたら竜司くんにもきっとバレる。


なんて思ったら今度は電話を知らせる音が鳴って

「はい」

……でもそれは私ではなく、頼くんだった。


「はい、……はい、わかりました。伝えます
失礼します」


頼くんが電話を切ると

「誰ー?」

なんて、当たり前かのように伊織くんが聞く。


「吉良さんからです」


えっ…?


「西島さんに、自宅へ戻るから夕食はいらないからキャンセルするようにとのことです。
西島さんは先に食堂へいってください。

それから希依さん」

「な、なに…?」

「吉良さんが建物から出ていく際、下で妹さんと会われたようです。
スマホ鳴らしても繋がらないので下で呼んでもらおうとしたら吉良さんとばったり会ったらしく、希依さんを呼んでほしいと頼まれたみたいです」

「椎依が?……ってかスマホ…」


どこだー?とポケットを触っても入ってない。
あれー?忘れてきたかなあ?

…もう、最近使うことが無さすぎて完全アラームのためだけのスマホになりつつあるよ…


「とりあえず向かわれた方がいいですよ。
もう下でお待ちですから」

「あ、うん
……ってかなんの用だろ」

「あ、自宅へ服を取りに戻られるみたいで、一緒に行かないかという内容みたいです。
以前、勝手に行ったら言われたからと仰られていましたよ」

「あー、なるほど。
んー、じゃあ私も自宅で夕飯食べてこようかな…

めぐ、私の分の夕食もキャンセルしといてよ」

「うん、いいよ」

「頼くん、申し訳ないんだけど竜司くんの夕食の支度もお願いしてもいい?」

「はい、もちろんですよ。
急がれた方がいいですよ」

「うん!
じゃあみんなまた明日ね!」


私はそういって、階段へと急いだ。
…にしても、椎依が神楽までくるなんてめずらし。

いつもなら絶対私を置いて一人でいくのに…


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