私と結婚してください。



────翌朝


「ん…」

「あ、おはよ!朝だよ!」


俺は外からの気持ちいい朝日と、気持ちいいくらいの希依ちゃんの声で目を覚ました。


「…おはよ。
超いい天気」

「ね!
風も気持ちいいから窓開けるね!」


そういって希依ちゃんは窓を開けた。

…なんだろ。
今日の希依ちゃんはすごく楽しそうだ。

終始笑顔で、なぜか輝いて見える。
……俺の大好きな笑顔。


「んー…、気持ちよすぎて起きたくない…」

「え!!だめだめ!
もうご飯の時間になっちゃうよ!!」

「えー…
…サボりたい」

「ダメに決まってるでしょ!
はい、起きる!!」


そういって、希依ちゃんは俺の布団を剥ぎ取り、腕を引っ張って無理やり起こした。

…まぁ、俺が起きないと希依ちゃんもこの部屋から出れなくて、凰成のとこ戻れないもんな…


「仕方ない、起きるかぁ」

「ふふ、おはよ」

「…希依ちゃん、今日嬉しそうだね。
そんなに凰成のとこ戻るのうれしい?」

「え!?」


あ、その顔。
その顔は図星って顔ですね。

見てたらわかるよ、さすがに。


「…でも、それだけじゃないよ」

「え?じゃあなに?」

「だって、竜司くんが私にわがままいったの初めてだもん!
いつもは全然手がかからないのにね」


…あー、そうか。
そういうこと。


そりゃ俺だって、好きな子には1秒でも長くそばにいてほしいって思うんだし。
全然普通のことだよ。


「…そんなに凰成のとこに戻れるのが嬉しいってアピールされちゃ、俺だってもういい子でいる必要ないかなーって思って」

「え!?
そ、そんなアピールしてないよ!!」

「えー、してるよー」

「してないって!!
…あ、ほら電話!鳴ってる!」

「あ、話そらしたー」


と、スマホ見れば本当に電話がかかってきてる。
…って、伊織かよ。もう少しで会うじゃん。


「もしもーし」

「お、竜司ー?
週末玲子んちにみんな来ないかー?って玲子から!」

「え?なんで?」

「なんか玲子んち学校て大学までエスカレーター式で秋のテストで正式に大学そのまま行けるか決まるじゃん?で、決まったから学校の友達と旅行いってたらしくて、そのお土産があるんだと。
希依ちゃんの分もあるからみんなでって。

ただめぐちゃんの分はないと思うんだよなー。まずいること自体知らないし」

「…なるほどー。
まぁ俺は行ってもいいけど」

「希依ちゃんはー?」

「…いやそれあとでよくね?
一応話はしとくから」

「あ、おっけー。
じゃあまたあとで聞くからスケジュール確認しといて!

じゃな!!」


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