私と結婚してください。
それぞれの気持ち
***
がんばれ、めぐ!!
あと一言だよ!!
「あれ、凰成たちそこで何やってんのー?」
えっ!!
「し、シー!静かに!!」
「え、なに。
なんで竜司の部屋聞き耳たててんの?」
こそこそと、私たちはめぐと竜司くんの会話を盗み聞きしていた。
めぐが心配で…
「…さすがに、盗み聞きはやめましょう。
結果はまた後程直接聞くことにしましょう」
「…だな。
先に食堂いくか」
「えー、気になるー…」
「なになに!?
なにがあんの!?」
「だからうるさいってば!!」
伊織くんに邪魔され、頼くんにも言われてしまったので
私たち4人は大人しく食堂へ向かった。
ずっと、ずっと竜司くんのせいで
めぐは凰成のことが好きなのかと思っていた。
…でも、私と仲良くする竜司くんを見るめぐの視線。
竜司くんと仲良くする私への嫉妬。
ちょっと気づいてたんだ。
きっと、めぐの気持ちは本当は竜司くんに向いてるんだって。
でも、さっきの凰成の言葉で確信した。
やっぱりめぐは竜司くんのことが好きなんだって…
「てかさ、凰成はいつ気づいたの?めぐの気持ち」
「俺?俺は最初から知ってた。
あいつが小学生の頃一緒にバスケやってたやつって知ったときから」
「え、なんで?」
「だってあいつ、その頃から竜司のこと好きだから」
「え!?え、そうなの?」
「そう。
なんか昔協力頼まれたし。
でも今も好きだって知ったときはさすがに驚いたけど」
「…だから、めぐってずっと彼氏いないのか…
可愛いしそれなりにモテるけどずっとお断りしてたのは竜司くんがいたからか…」
「でもまさか希依も気づいてるとは思わなかったな。
お前は鈍いし」
「は!?鈍くないし!!」
「そのわりに竜司の気持ちも気づかなかったろ。
あと速水ってやつのも」
「う…まぁ…」
「希依は確実に鈍い。伊織並み。」
「…それは完全言い過ぎだから!!」