私と結婚してください。
放課後、一緒に買い物にいく約束をした私たちは昼休み、もちろん音楽室へと向かった。
「ん、やるよ!」
「………。」
…まぁ、凰成は相変わらず憂鬱そうな雰囲気だけどね。
そんなことでくじける私じゃないさ!!
「そんな嫌そうにしないの!
凰成は器用なんだから、コツさえ掴んだら絶対上達するから!」
「…本当にできんのかよ」
「絶対大丈夫だよ!」
「ってか、希依はなんでそんなやる気満々はわけ?」
「だって、バイオリンは私が大好きなものだもん!
あの楽しさを凰成にもわかってもらいたいから!」
小さい頃からずっと、私には欠かせないものだった。
本当はずっと続けたかったけど…諦めたのは私だけど…
こんなところで再会させてくれたんだもん。
今度は絶対諦めたくなんかないよ。
「大丈夫、私が教えてあげるから」
「…ったく、しかたねぇな」
諦めたようにそういった凰成だけど、その顔はなんだか嬉しそうだった。