私と結婚してください。
それから数日たち、私たちは6人揃って玲子さんのお家へとお邪魔した。
玲子さんのおうちは凰成の家と比べたらまだ常識的な敷地面積で、門から歩いて玄関までたどり着けた。
まぁ…凰成んちが異常すぎるんだけどね…
「え、おめでとう!」
そしてめぐの紹介もしてみんなで談笑中、玲子さんにも凰成と付き合いました報告をした。
「あ、ありがとうございます」
そして私の玲子さんに対する敬語はなかなか抜けずにバリバリ現在進行形。
たってやっぱり見た目がすごく綺麗で同い年に見えないから…
「あいつの彼女って3人目だけど、希依ちゃんがきっと初恋なんだろうな~、あいつは」
「え、なんですかそれ」
「だってあいつ、全然自分の意思とかなかったからね!」
自分の意思なしにこれまで彼女作ってきたのかよ…
なんじゃそれ…
「…ってか3人目?なんですね。
てっきり2人目なのかと思ってました。
じゃあ前のお金目的彼女?の前にもいたんですね」
「あれ、聞いてない?」
「…なにをですか?」
「私が凰成と付き合ってたって」
私が、凰成と…?
玲子さんが、凰成と…?
「え、えぇ!?
聞いてないですよ!!」
「えっ、あ
そうだったの…。なんかこんなときに伝えちゃってごめんね…
てっきりもう知ってるのかと思って…」
「…それって、伊織くんも知ってるんですか?」
「え、うん。
というか、別れて慰めてくれたのが伊織で。
凰成って、見た目から全然感情が伝わってこなくて…それが辛くて別れたんだけど
伊織は正直考えてることがすごくわかりやすくて」
「まぁ伊織くんはガキですもんね」
「あはは、そうでしょ?
素直で、子供だけど凰成みたいに器用じゃないのがまた可愛くて
あの真っ直ぐさに惚れちゃったんだよね」
「そう、だったんですね」
「あ、今は凰成のこと全然好きじゃないから安心してね?
凰成なんて、当時から私に興味なかったし」
興味なかった、か…
本当にそうかなぁ…凰成は確かに意味不明なところが多いけど
でも…
初めて玲子さんに会ったとき
凰成はすごく嬉しそうだった。
私の存在なんて完全に忘れてたし
「…あの、凰成とはいつ頃付き合ってたんですか?」
「あー、好きになったのは小5くらいだけど
小学校卒業の日に私が告白したの。
でも3ヶ月もせずに別れちゃったんだけどね」
「それから気まずくなったりはしなかったんですか?」
「ぜーんぜん。
私も気まずくなるかなーって思ったんだけど
凰成は全然変わらなくて。
まぁ、付き合ったからって変わったわけでもなかったんだけどね」
「…そうなんですね」