私と結婚してください。
そんな女子トークを済ませ、トイレから出たら
「おっせーよ!」
…本日3回目のおっせーよ!いただきました。
「女子はなにかと時間かかるのよ」
でも、めぐが威圧的にそういったら、伊織くんは小さくなったから
「ふふ、そーだそーだ!」
もっと責めてやった。ふん。
だけど凰成はなんか誰かと電話してて、背中を向けていたから
それが終わるのをもう少し待っていた。
「そういえば頼くんって電車乗れる?」
「…実は乗ったことがないんです」
わお。
やっぱり、さすがお坊っちゃま。
「一応軽く勉強してきたのですが、わからないことがあったら聞いてもよろしいですか?」
「うん!もちろん!」
ふふ、嬉しいや。
頼くんに頼られるって、本当にないことだもん。
「おい、楽しそうだな」
「う、わっ!」
と思ったら、後ろから重く体重がのし掛かり、凰成の声が上から降ってきた。
「ほら、行くぞ」
「はーい」
だけどまた、私の手は凰成の手の中へ。
こういう独占欲、好きだなぁ。
「そういえば誰と電話してたの?」
「あ?親父」
「あ、そうなんだ」
お父さんかぁ。
お父さんと電話…仲いいな…
私なんて両親とも電話なんてほとんどしないけど…