私と結婚してください。




なんだかよくわからないけど、駅から出てすぐそこの遊園地までちょっとだけ歩いて向かった。

遊園地までの数分の道のりにはホテルが3棟もあり、商業施設もあり、プールもある。
遊園地に入らなくてもそれなりに楽しめるここは、本当に賑わっていた。


そして5分も歩けば遊園地に到着。
ちょっと肌寒い今日だけど、ここにはここの熱気が漂っている。


「…って、え?
チケットあそこで買うんだよ?」

「あー、知ってるけど俺らはこっち」


すぐそこにあるチケット売場を通りすぎ、凰成はどんどん先へと進んでいく。
なんならゲートも過ぎて…


「え、いきなり事務局…?」


よくわかんないけど、いきなり事務局。
ここって忘れ物取りに来たりするところじゃないの?

意味わからず、でも凰成に手を握られてる私は凰成と共に中へと入った。


「凰成様、お待ちしておりました。
社長から話をうかがっております。

すでに6名様分のご用意はできておりますので、しばらく待合室にてお待ちください」


凰成がなにもいわなくても、スーツを着た男性が1人喋り、案内された待合室の立派なソファにて私たちは待つことに。


「…ねぇ、なに。意味不明なんだけど…」

「あぁ、ここも親父の会社が経営してるから」

「えっ…!?」


え、ここも…?ここもですか!?
この遊園地が、ですか!?


「凰成んちはリゾート開発がメインだから。
この遊園地周辺にある全ての施設含めたこのリゾートは全部吉良グループ経営なんだよ。

ま、俺も来るの初めてなんだけど」


驚いて言葉も出ずにいると、竜司くんがそう教えてくれた。


「へぇー…そうなんだ。
あ、だから凰成は着たことあるのか」

「まぁな。
新しいアトラクション出来ると呼ばれるし」


へぇ…
だからあなたはソファにそんなどっぷり座ってらっしゃるのね…



< 298 / 419 >

この作品をシェア

pagetop