私と結婚してください。
なんだかよくわからないけど、駅から出てすぐそこの遊園地までちょっとだけ歩いて向かった。
遊園地までの数分の道のりにはホテルが3棟もあり、商業施設もあり、プールもある。
遊園地に入らなくてもそれなりに楽しめるここは、本当に賑わっていた。
そして5分も歩けば遊園地に到着。
ちょっと肌寒い今日だけど、ここにはここの熱気が漂っている。
「…って、え?
チケットあそこで買うんだよ?」
「あー、知ってるけど俺らはこっち」
すぐそこにあるチケット売場を通りすぎ、凰成はどんどん先へと進んでいく。
なんならゲートも過ぎて…
「え、いきなり事務局…?」
よくわかんないけど、いきなり事務局。
ここって忘れ物取りに来たりするところじゃないの?
意味わからず、でも凰成に手を握られてる私は凰成と共に中へと入った。
「凰成様、お待ちしておりました。
社長から話をうかがっております。
すでに6名様分のご用意はできておりますので、しばらく待合室にてお待ちください」
凰成がなにもいわなくても、スーツを着た男性が1人喋り、案内された待合室の立派なソファにて私たちは待つことに。
「…ねぇ、なに。意味不明なんだけど…」
「あぁ、ここも親父の会社が経営してるから」
「えっ…!?」
え、ここも…?ここもですか!?
この遊園地が、ですか!?
「凰成んちはリゾート開発がメインだから。
この遊園地周辺にある全ての施設含めたこのリゾートは全部吉良グループ経営なんだよ。
ま、俺も来るの初めてなんだけど」
驚いて言葉も出ずにいると、竜司くんがそう教えてくれた。
「へぇー…そうなんだ。
あ、だから凰成は着たことあるのか」
「まぁな。
新しいアトラクション出来ると呼ばれるし」
へぇ…
だからあなたはソファにそんなどっぷり座ってらっしゃるのね…