私と結婚してください。



「お待たせいたしました」


そういって、さっきの人はなにやらカードを6枚持ってきた。


「さんきゅ。
ほらよ、希依の分」

「え?ありがと」


でもなんだこれ。
カード?なんの?


「では、素敵な1日をお過ごしください!


カードを受け取るとさっさと立ち上がった凰成に、この男の人は頭を下げた。


なんだか…たかだか高校生に丁寧だなぁ。
やっぱり御曹司だから…そういうもんなのかな。


「ねぇ、このカードなに?」

「あー、なんでもOKカード的な」

「はぁ?」

「だから、これあれば別に入場券もいらねぇし、飲食も金払わず自由に食べられるし、アトラクションも並ばずすぐ乗れる。
まぁVIP対応を受けられるカードだな」

「え!?」


な、なんだそれ!!
そんなものがその世の中に存在するとは…


まぁなんか、飲食はわかる気もするけど…
アトラクションは並べよな…


「ちなみにこのカードのことは絶対他言禁止な。
落としたら悪用されるし」

「あ、はい」


そしてゲートではこのカードをかざせば、自動的にゲートが開いた。

なんともすごい。さすが金持ちは違う。


「お待ちしておりました、凰成様」

「あぁ、今日は頼むな」

「え、誰?」

「あー、現場の社員の偉い人的な。
このカード、アトラクションとかにいるバイトのやつらも存在知らないから。
使うためにはこのカードの存在を知ってる社員が俺らに付き添ってくれるんだよ。
じゃねーとアトラクション並ばず乗るとかできねぇから」

「へぇー…」


それはなんとも…すごいな…


「ちなみに俺が来るときはいつもこの人」

「へぇー」

「長谷川でございます。
今日は1日よろしくお願いいたします」

「あ、いえ
こちらこそよろしくお願いします」




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