私と結婚してください。



そして観覧車に到着し、あのカードがなくてもここは3組しか待ってなかったので、普通に待った。

どうせゴンドラ降りてくるのは待たなきゃだしね。


「ん、めぐちゃんと竜司から乗りなよ!」

「え、あぁ」


順番が来て、伊織くんは率先して1番を譲った。
いつもなら間違いなく、伊織くんからなのにね。


そして次のゴンドラが降りてきて…


「凰成悪い」


伊織くんはそういうと、ゴンドラのドアが開いた途端
私の腕を掴んで勢いよくゴンドラに乗り込んだ。


「え、おい!」

「ちょい借りるわ!」


伊織くんがそう言うとドアは閉められ、鍵もガチャン、としまった。


「ちょ、なに急に…頼くんはいいの?」

「あぁ、頼にはちゃんと伝えてある!
観覧車は希依ちゃんと乗るってな」

「てか別にあんなことしなくても凰成にいって、普通に乗り込めばよかったのに…」

「そんなん絶対無理だから!
凰成、希依ちゃんのこと絶対離さないから!」

「そんなことないと思うけど…」


…っていうか、ちょっと私も凰成と乗りたかった…
彼氏と2人で観覧車とか、ちょっと憧れちゃってたじゃん…

伊織くんと2人とか、ムードもクソもないな…



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