私と結婚してください。



***


文句言いながらも、ちゃーんと電車で最寄り駅まで帰ってこれた。
まぁほかに選択肢なんてなかったんだけど。

車呼べば来るんだろうけど、あそこらへんは夜渋滞すごいからね。
結局電車の方がはやいってめぐが言って、なんとか…


駅からは歩き。ここからはもう10分くらいしかかからないわけだし、文句言わずに普通に歩いてくれた。


「なんかさ、私のお金持ちイメージだけど
出歩くときってSPみたいのつくのかと思ってた。

みんなはつかないんだね?」

「そりゃ頼めば来るけど頼まなきゃ来ない。
俺んちはそういうのあんま来ないな」

「あ、そうなんだ。
じゃあ竜司くんちとかは来るんだ?」

「俺んち?俺んちは出歩いくことが親にバレたら100%付き人が来るよ」

「え、じゃあ今まで1回も神楽から出ていないことになってるの?」

「まぁそういうこと。
俺んちだけじゃなくて、たぶん頼んちも厳しいからそうじゃね?」

「はい、そうですね。
私も出かけてることがバレないように気を付けています。
やはり付き人がきてはできないことも多いですので」

「……みんな自由ないなぁ」

「俺らに比べたら凰成んちなんて一番金あるのに、一番自由だよな」

「まぁ俺んちは放任主義だからな。基本的に」


……すごい世界だ。
ってかこの中だと凰成んちが一番金持ちなのか…

さすがだ。


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