私と結婚してください。
「凰成んちは出かけるのバレても特に付き人くることはないの?」
「俺が頼んだり、親父が必要だと判断したら来るけど、とりあえず今日は来てないな。
まぁたぶん今日は普通にあそこ行くの俺が言ったから出かけてるのは知ってるけど、車で行ってると思われてるのか誰も来なかったな。
まぁ実際ついてからは長谷川が常に一緒にいたけど」
「あ、なるほど。
車で行ってると思われてるのか」
そうだよなぁ。
まさか、歩いて駅まで行って、そこから電車乗ってるなんて、きっと凰成のお父さんは考えもしないだろうな…
だってあの凰成だもん…
「あ、希依ちゃん見てあそこ!」
「んー?」
伊織くんがなにを指さすから、とりあえず伊織くんのとこまで行って、伊織くんの視線の先を追った。
「…あ、イルミネーション!」
さすが、冬に近づいてきてるだけはあるね!
ってかもう冬か!
イルミネーションがこんなところで見られるなんて!
「イルミネーションてなに?」
「ほら、あそこのキラキラしてるところ!」
「あ、あれ!?
超きれいじゃん!行ってみようぜ!!」
竜司くんが目を輝かせ、めぐを連れてイルミネーションの方へと行ったから、伊織くんもそちらに足を運ぶ。
「ほら、凰成行こ!」
そして一番後ろにいた凰成と頼くんにも伝えなきゃと振り向き、私も伊織くんと行こうとしたら
「……希依さん!!」
頼くんにすごい力で腕を引っ張られた。
それにびっくりしすぎて
「…っ、頼!!」
凰成のその声にも、私は反応できなかった。