私と結婚してください。
頼くんに思いっきり腕を引っ張られ、思いっきり移動した私。
そのすぐ横を通り過ぎて行った、黒い車。
そして、凰成が走ってかけよった頼くんは、私のすぐ横に倒れていた。
「……ら、頼くん…?」
ちょっと、なにが起こったのか
私には理解できなかった。
…でも、そこに横たわる頼くんを見て
「嘘でしょ、頼くん!!」
事故に遭いそうになった私を助けてくれたんだって、嫌でも思わざるを得ない。
「頼!?どうした!?
おい、頼!!」
そこに、顔色変えた伊織くんも走って戻ってきた。
「……だ、大丈夫です」
「頼くん!?」
「少し、接触してしまっただけです」
そういって、頼くんは体を起こしたけど、その顔色は決していいものでもなく、表情もすごくゆがんでいる。声も、どこか苦しそうで…
「…希依さん、ケガは…」
「わ、私は大丈夫だから…!!
そんなことより病院に!」