私と結婚してください。



戸惑っている間に、伊織くんはすぐに救急車を呼んでいて、すぐに伊織くんのお父さんにも連絡を入れていた。


救急車が到着しても、私たち全員が同乗することもできなくて、すぐに凰成が車を呼んでくれて
伊織くんだけ残し、救急車の出発を待たずに私たちは先に伊織くんのお父さんの病院へと向かった。


「どうしよう、私を庇って頼くん…」


ケガがひどかったらどうしよう…


「大丈夫だ、希依。
少なくとも、命に別状はないだろ。
大丈夫だよ。

出血とかもしてなかったろ」

「そ、そうだけど…
でも後遺症とかだってあるじゃん…!」

「それでも希依が悪いわけじゃない。
本来なら俺がするべきことだった事だし
一番悪いのは接触した運転手だ。

希依が責任感じることじゃねぇ」

「…でも、そんなの無理だよ…」


だって、頼くんは私を庇ったんだよ…


「頼だって、そんな顔が見たかったわけじゃねぇだろ。
もし立場が逆だったら、希依だって頼を助けただろ。
それでケガしても、頼を責めたりしないだろ。
頼に責任感じてほしくないだろ」

「…そうだけど…」

「だったら、そんなに落ち込むな。
軽症であることを願ってろ」

「……うん」


願う、か。
私が願ったところでなんにも変わらないけど…でも
どうか、頼くんがなんともありませんように…


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