私と結婚してください。
病院につくと、さすがにまだ救急車はついていなくて
私たちは伊織くんのお父さんと、お医者さんや看護師さんたちと救急車の到着を待っていた。
「あ、あれかな!?」
救急車が到着し、ドアが開くと
やっぱり頼くんの乗った救急車だった。
「頼くん、大丈夫!?」
「大丈夫ですよ。
気になさらないでください」
頼くんはいつもより軽い笑みでそう言って、処置室へと入っていった。
「…大丈夫だよ、希依ちゃん」
「え?」
「たぶん頼、足はケガしてるけどほかはかすり傷だけっぽいし
それに、あのケガならたぶん希依ちゃんの時より軽いから。
だから、そんな心配すんなよな」
「本当…!?」
「本当。俺これでも医者の息子だよ?
信じとけって!」
「……うん」
その伊織くんの言葉に、私の心はすごく軽くなった。
もちろん、私のせいなのは変わらないんだけど…それでも、頼くんが大事にならなくて本当によかったから…
「だから気にしなくていいって言ったろ」
「気にはするよ。
だって私のせいだもん」
「だから、逆の立場だったらどうなんだよ。
希依がケガした時だって俺らのせいだったけど、希依は全然気にしなかったろ。
俺らのために痛いの我慢してたじゃねぇかよ。
だから、お前もそんなに気にするな」
…そか、あの時と一緒なのか
あの時、確かにそんなの気にしないでよって思ってたっけ…
「……うん。
頼くんの前では明るく振る舞う」
「おう、そうしてろ」
「ありがとね、伊織くんも、凰成も」
「もとはといえば俺がイルミネーション見つけたのも悪かったし」
「それを見に行きたいって動いた俺も悪かったし」
「そうだよ!希依だけが悪かったわけじゃないじゃん!
みんな同罪!だから、そんなに気にしないの」
「はは、そっか。
でもめぐはなんにも悪くないけどね」
「こういうのはね、連帯責任なの」
「さすがバスケ部っすね」