私と結婚してください。



「……なんか、怖い人だね」

「怖い人、だよ。
俺らが謝ったところでなんにも心に響いてなかったし」

「…伊織くん、これから頼くんどうなるの?」

「さぁ。俺にはわかんね。
…でも、頼の父親は厳しいから、きっとこのままじゃ済まねぇだろうな」

「……うちの親、治療費とか払えるかな…」

「請求されても俺んちで払う。
それに、頼んちは金のことなんかなんにも気にしねぇよ

…だた、頼は心配だな」


……頼くん…



「……とにかく、ここにいても仕方ねぇし、寮に帰ろう」

「そう、だね」


それから私たちは待っていた凰成んちの車で学園へと戻った。

神楽に戻っても、伊織くんはなにも発さず、そのまま部屋へと入っていった。


「……悪い、希依。
ちょい親父に電話するから、部屋に行ってて」

「あ、うん。
…なんかごめんね」

「は?なに謝ってんだよ
希依はなんにも悪くねぇって言ったろ」

「…でも、頼くん大丈夫かな…」

「……わかんねぇけど、とりあえず俺も親父に相談してみるから。
だから先に風呂入っとけ。一回リセットしろ」

「……うん」


言われるがまま、私は部屋に入った。
あんなに楽しかった1日だったのにな…

あんなに楽しかったのに…


……早く、頼くんの元気な姿がまた見たいよ…


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