私と結婚してください。



みんなとの朝食タイムは、いつもと違ってとても静かだった。
みんな、頼くんのことを心配し、朝の放送のことを気にしていた。


「俺、先に戻るわ」

「あ、私片付けとくよ」

「いいよ、このくらい」


伊織くんはそういって食器を戻して、先に部屋へと戻った。


「…やっぱり、元気ないね」

「まぁ、今は仕方ない。
伊織が今の状況に慣れるのを待つしかないな」

「…慣れる、かな?」


私のその問いに、誰も答えることはなかった。

だって、ずっと一緒だったんだもん、
急にいなくなったら、みんなさみしいよね…

私ですら、ここに頼くんがいないのは寂しいのに…


「ってか、今日は8時までにホールだからちょっと急いだほうがよくない?」

「あ、そうだね。
ゆっくりしすぎた。もうすぐ7時半じゃん」

「だな。部屋戻ろう」


なんか、私たちもだめだなぁ。
いつもなら頼くんが率先して気づいてくれてきたこと。
今までどれだけ頼くんに頼ってきたことか、思い知らされるよ…


「ってか、急にホール集合ってなんだろね」

「ね。神楽だけなら別に教室でよくない?」

「それ思った。
ってかホールってどこにあんの?」

「え、めぐも知らない?」

「知るわけないじゃん」


…だよなぁ…
仕方ない、久しぶりにマップ見るか…


< 321 / 419 >

この作品をシェア

pagetop