私と結婚してください。
最上階につくと、いかにもホールってドアだけがあり、開くと音楽堂のような、神楽だけのためにはもったいない広い会場と、広いステージ、そして多くの席があった。
「これ、どこに座ってもいいのかな?」
「いいんじゃね?どこ座る?」
「一番前に行こうぜ!」
「いや、一番前って」
元気な伊織くんについていき、誰もまだ座っていないのに一番前の、ど真ん中に座った。
「いやここ選ぶ人なかなかいないから」
「いいじゃん!せっかくだし!
もしかしたらなんかやるのかもだし
竜司たち来たらここ呼ぼ」
そういって伊織くんは座席に座っても後ろをずっと向いていた。
「ね、今日の放課後どうする?
みんなで遊ぶ?」
「……いや、今日はみんなはやめる」
「あ、そう?
…まぁ、最近ずっとみんなと遊んでたもんね」
昨日の夜もそうだったけど、凰成も私と2人きりで過ごしたいと思ってくれてるのかもしれない。
私も…たまには凰成と恋人って時間を作りたいしね。
「あ、竜司ー!!こっち!!」
そんなでかい伊織くんの声が聞こえてきて、竜司くんとめぐもこの最前列へとやってきた。
「なに率先してこんな席座ってんの」
「いいじゃん!」
めぐなんて完全あきれてる。
まぁそうだよなぁ。教室でも、絶対に一番前は不人気だ。