私と結婚してください。
「ってか、いきなりホール集合ってなんなんだろうな。
今までこんなこと一回もなかったし」
「確かに。
なんか連絡事項あったとしても姫伝いか、教室で朝のホームルームでいうのにね」
「…なんなんだろうな、これ」
私たちがそんな話をしていると、いきなりステージには担任の先生が現れた。
「どこの席でもいい。適当に座ってくれ」
「先生ー、今日なに?」
「なんでホールなの?」
伊織くんと竜司くんがそう聞くと、先生の表情はゆがんだ。
「…学長から、大事なお知らせだからだ」
それだけ言って、またステージから消えた。
「学長から大事なお知らせ?なにそれ。
めちゃくちゃ嫌な予感しかしないの、俺だけ?」
竜司くんのその言葉に、誰もなにも言わなかった。
きっと、みんな嫌な予感しかしてない。
あの先生の真面目で、かつ歪んだ表情。
そして先生からではなく、わざわざ学長直々のお知らせ。
嫌な予感しか、ないよ…
会場がシーンとなったころ、ステージに立ったのは
入学式以来みたことがなかった、学長の姿だった。
この人は本当に生徒の前には姿を見せない。
全体集会があったって、出てくるのはせいぜい教頭まで。
校長より高い位置にいるこの人は、まず姿を見せない。
そんな人が、なんでまたこんなところに…
「君たちに、大事なお知らせがある」
みんなが、その先の言葉に恐れてる。
今からなにを言われるんだろう、って…