私と結婚してください。



朝の集会は、結局学長が一方的に締め、終わった。


その後の授業も、なんにも力が入らなくて
大好きな体育もやる気にならなくて
体育はみんな、体育館の端に座ってるだけだった。


「お前ら、やらねぇと成績下がるだけだぞ」


そんな私たち5人のところに、先生が来た。


「……やる気でねぇ」

「な。あんなん聞かされたら」


「仕方ねぇだろ?
学校側も、御縁さんの家には多額の寄付金をもらってる。
御縁さんの意見は聞かざるを得ないんだよ」

「え、じゃあこの決定は頼くんの家の意見だけなの?」

「たぶんな?
だけど、もしお前ら…たとえば吉良んちがそれに反対したら、こうはなってなかったと思う。
お前ら主人側の親御さんたちがそれを了承してなきゃ、こんなことにはなってないんだよ、

結局お前らにも反省は必要だってことだ」

「…今更反省したところ、なにも変わらねぇしな」


…決定事項、だもんね…
もう本当に、私たちは一緒にいられなくなっちゃうんだよね…


「変えたいなら、とりあえず親御さんに事情を聞いてみたらどうだ?
吉良んちなんかは神楽制度賛成派だっただろ。
吉良んちも、神楽んちも、瀬戸んちも、どこも多額の寄付金納めてるだろ。
だったら、少なくともお前らの親御さんたちにだってこの学校は左右されるんだよ。

嫌なら少しは行動を起こせ。
そんなんじゃ、いつまでたってもガキのままだろ。
大人に反発するならな、大人を説得させるプレゼン、してみろよ」


先生はそういってほかの生徒のところに回った。


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