私と結婚してください。



「……なぁ、頼んち行ってみねぇ?」

「え?頼くんち?」

「そ。さっき希依言ってたろ。
大事な話だから、直接会って話すって。

だから俺らも、頼の親父さんのとこいって、話をしてこよう。
な、伊織」

「……そうだな!!」

「ちょ、ちょっと待って
今行っても仕事とかでいないんじゃない…?」

「それに、いきなり行くのはマナー違反。
普通はアポとって、向こうの都合に合わせるもんでしょ」


私とめぐの発言に、凰成と伊織くんがいったん落ち着いた。
いきなり訪問はさすがに失礼だ。

とにかく予定を聞かなければ。


「誰か、頼くんちの電話番号わかる?」

「……頼のはわかるけど」

「あ、俺家に帰れば昔の連絡網ある!!」

「じゃあとりあえず伊織くんはそれ、取ってきてくれない?
それまで私たちはここでほかのことを考えよ」


その私の案に、みんなが賛成してくれて
伊織くんは自宅へと向かった。

とりあえず私たちは凰成の部屋へと移動することにした。


「で、なにを考えるわけ?」


…ちょっと、凰成さん
なにを間の抜けたことを…


「普通に、どうしたら考え直させてもらえるか、でしょ!
このまま考え直してくれって言っても絶対反対されるだけだよ!

私たちにどれだけ神楽が必要か
頼くんにどれだけ神楽が必要か

そこを証明するのがいいんじゃないかなって思うんだけど…」

「そうだね。
この神楽はやっぱり主人の成長のためにあるものだから、それを言うべきだろうね」

「でも頼は姫じゃん」


・・・そうだった。
頼くんって主人じゃないんだった…

お金持ちだから完全錯覚起こしてた…


< 333 / 419 >

この作品をシェア

pagetop