私と結婚してください。



***


翌日、昨日の失敗点を踏まえて私たちはまた、頼くんの家へと向かう。
今日も竜司くんとめぐはお留守番。

一応、先生たちにも考え直してもらえるように頼んでくれてるみたいだけど…
それも子供の私たちが言ったところでなにも変わらないんだろうけど…

けど、変わると信じて動くしかない!
信じなきゃ、なにも起こせないもんね。


「今日はとにかく、姫の必要性とか、神楽の必要性とか、そこらへんを必死に訴えようね!」

「俺は少しでも発言できるように頑張るわ!」

「……お前ら、力入りすぎじゃね?」


車の中で必死に、なにを言おうか考えていた。


先生の言った、説得させるためのプレゼンはまだできない。
どうすればいいのかとか、全然考えられない。

それでも…熱意だけでも伝わってほしいから。


そんな気合十分の車内に

~♪~♪~♪

凰成のスマホが鳴った。


「あ、悪い
竜司からだわ」


そういって電話に出た。
それまではおとなしく待つ私と伊織くん。

でも、伊織くんの目はキラキラ…、いや
メラメラ燃えていた。

「え!?」

だけど、そんな私たちの気合を凰成の驚いた声で消し去られた。

「あぁ、わかった。
…とりあえず俺らもうつくから、また連絡するわ。

あぁ、じゃ」


それだけ言って、電話を切った。


「凰成、どうしたの?」

「いやそれが
とりあえず担任に話をしに行ったみたいなんだけど、担任が今いないらしくて」

「え、なんで?」

「わかんね。
他の先生に聞いたら外出中らしくて。

結局話はできなかったってさ」

「へぇ、そっか。
先生が外出なんて珍しい~」

「いや、放課後なにしてるのかまで知ってんの?」

「あ、知らなかった」


外出中か…
まぁ担任に行ったところでなにか変わるわけではないと思うんだけど…

でも、それでも学長にはまず会えないから
ステップ踏むには担任しかいないもんな…


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