私と結婚してください。
新しい友達と姫の仕事。
━━それからしばらく、この超俺様自己中お坊っちゃまは私の行きたいところに付き合ってくれて
お金も全部出してくれて
なんかちょっと、見直した。
なにか買ってもらったからとかじゃなくて
……こいつにも、私を思いやる優しさを持っていたから。
こんな私にも優しいところを見せてくれたから。
そして
「たぶんもう待ってるから」
こんな私を、神楽のお友だちに紹介してくれるみたい。
突然のこの服も、今思えば私を立派に見せるためにしてくれたのかもしれない。
昨日、あんな形で知り合ったばかりだけど
なんかいろんな一面が見れて、少しずつ楽しくなってきたよ。
ま、まだまだムカつくところもあるし基本的には超俺様なんだけどね。
「希依、気を付けろよ。
慣れてないだろ」
それでも、割りと名前で呼んだくれることも増えたしね。
しかも寮の入り口の階段で私を気にかけてくる。
どんだけ優しいんだ。
「ありがと。」
もうね、こいつも本当は双子で
今はその片割れが私の世話をしてるんじゃないかとさえ思えてくる。
だって別人だもん。
「でもこういうときは普通、手を差し出すのがジェントルマンだと思うけど?」
「お前がもっとか弱くて守りたくなるような女だったらな。」
……たまにくるこういうところが、こいつなんだなと思い知らされるんだけど。
「それはあんたが頼りにならないからこっちもしっかりしなきゃって思うからでしょ。」
「は?どこらへんが頼りになんねーんだよ。
ちゃんと説明しろよ。」