私と結婚してください。
…でも、食べ終わったお皿を見ると、やけに私だけ汚い…
そりゃそうだよな…
みんな全然音立てずに食べらえてたし…
「……なんか、すみません」
「いいのよー、まだ高校生じゃない」
こんなにひどいのに…凰成のお母さんは笑ってそんな風に許してくれた。
なんとかメインを終え、あとはデザートだけ。
デザートはパイのアイス添え!
これなら私も安心して食べられた。
「ごちそうさまでした。
おいしかったです、本当に」
「よかった。
ごめんなさいね、エビをメインにしてしまって」
「あ、いえ…」
こちらこそ、あんなおいしそうなエビをあんなに散らけてしまってごめんなさい、本当に…
「で、食事も終えたし、本題に入らせていただきます」
「え?」
ほ、本題…?
「希依さん、あなたの家の伝統は凰成から聞いてるわ」
「え、あっ…」
代々、18歳で結婚、か…
「凰成はそれを知っていながらあなたと付き合っていると。
だから、あなたにもそれなりの覚悟を持って凰成と交際してほしいのよ」
「……覚悟、ですか?」
「そう。
実際、凰成と一緒になりたいって女性、あなたのほかにもたくさんいるのよ」
…そりゃ、そうだよな…
吉良グループの一人息子。そして、この容姿。
世間知らずなところもまだまだあるけど、それでも優しくて、頼りにもなって、大人で。
いいところばっかりだもん。
「きっとね、あなたのことを潰そうとしてくる人、今後出てくると思うの」
「……はぁ」
「もちろん、私はあなたを応援してるわよ!?
私も元姫。でも、だからこそ忠告させてもらう。
籍を入れたとしても、潰しにくる人は絶対に現れる。
だからこそ、籍を入れる前に、あなたには周りを黙らせるように、文句言わせないように、立派な女性になってほしいのよ」
真剣にそう語る凰成のお母さんを見ていて
なんか、この人もいろいろあったんだろうなって思ってしまった。
いろいろあったからこそ、こんなことを言ってくれるんだなって。
「……わかりました」
「ありがとう!」