私と結婚してください。



***


「つ、かれたー…」


16時、私たちは無事神楽へと帰還した。


「ドレスのまま倒れるなよ」

「めちゃくちゃ疲れた…
予想より疲れた…」


知り合いばかりなのに、あんなに気疲れするなんて…
これで来週、本当に大丈夫なのかな…


「本番はもっと人数増えるからな?
しかも知らない人と話さなきゃだし」

「…なんか、金持ちって大変…」


これ乗り越えないと、凰成とくっつけないのか…
凰成のお母さんも大変だったんだろうなぁ…


「でもわりとなんとかなってたじゃん」

「まぁ今回はね?
これで私のこと目の敵にしてくる人いたらもうつらいわ…」

「いや、みんな助けてくれると思うけど。
俺もいるし」

「…そうだね」


でも、やってよかったかもしれない。
いろんなことを知れた。

会場も一応去年のクリスマスパーティーの会場に似せてくれたみたいで、すごいきらびやかだった。
BGMも生演奏だったし。

食事はどれもおいしそうだったけど
「がっついて食べるなよ」
と凰成に言われたから、次はお腹いっぱいでいって、誘惑に勝とうと決めた。

本当にいい香りがしたから…


「なんか、あと気を付けることとか…」

「そうだなー。
あ、会場に用意されてる椅子には座るなってくらい?」

「え、じゃあなんのためにあるの?」

「あれはご年配とか、あと妊婦とか、急な体調不良とか
そういう人のために用意されてるだけ。
疲れたとかで座るなよ。高校生が座ったら完全に叩かれる」

「そうなんだ…」


座ることは一切できないのか…
つらいなぁ…


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