私と結婚してください。
それからも私たちはテスト勉強もしつつ、いろんなマナーを勉強していった。
毎週末きてくれる玲子さんには、女性作法を。
こういう手首のお動かし方は女性らしくなるよ、とか
立ち方やグラスの持ち方まで、いろんなノウハウを教えてくれた。
「玲子さんも努力してきたんですね」
「はは、それはみんなそうだよ。
いきなりできる人なんていない。
だから当日失敗しちゃっても、悔やむことはないよ。
自分らしささえ見失わなければ、きっと希依ちゃんなら大丈夫だよ」
「自分らしさか…頑張ります」
「あとは自信持つことね?
希依ちゃんは、凰成に選ばれた人なんだから」
「……うん」
協力してくれてるみんなのために、できる限りのことはしないと。
せっかく助言をくれた凰成のお母さんのためにも、私を選んでくれた凰成のためにも。
精いっぱい頑張ろう。