私と結婚してください。
それからの日々はパーティーの準備に、テスト勉強に、受験のことに…やることがてんこ盛り過ぎて
「……希依、たまには出かけてきたらどうだ?」
「え?」
「最近ストレス溜まってるだろ」
どうやら、私のストレスは表に出ていたみたい。
「…でもいいのかな…」
「大丈夫だろ。気分転換してこいよ。
たまには部屋でバイオリン弾くくらいしとけよ。
希依、筋トレしかできてないだろ?最近」
「う…」
ここ最近、私は全くバイオリンを弾けていなかった。
せっかく家から持ってきたバイオリンもそのままになっていた。
「今日は俺のこといいから、数時間だけど好きなことして来いよ」
「…いいの?」
「おう。」
なら、少しバイオリンでも弾こうか…と私は部屋に入った。
一応筋トレや走り込みは毎日やってきた。
外周とか最初は本当きつかったけど、たまに凰成や頼くんや、めぐまでも付き合ってくれて
筋トレも伊織くんが付き合ってくれたり
みんなに支えながら、なんとかやってきた。
なんか、久しぶりにバイオリン触るな。
私のこのバイオリンなんて、本当に久しぶり。
バイオリンをファンっと弾くと、音がけっこうずれてて
「…ごめんね、放置してて」
私はチューニングから始めた。
この感覚も久しぶり。
凰成んちでもチューニングしたけど、長年使ってきた私のバイオリンの音もやっぱり気持ちよかった。
楽譜はなんにもないけど、それでも感覚は鈍ってなくて
前にコンクールで弾いた曲も、この前の音楽のテストの課題曲も、覚えた曲はわりとなんでも弾けた。
体が覚えてるもんなんだなぁ…